androidスマホのドコモメールで受信した迷惑メールを解析していきます。
以下の画像は、サンダーバードで開いた今回の迷惑メールです。

最初に、今回スマホで受信した不審メールを、スマホのメールメニュー「メール保存」で保存し、解析用のPCに移動させて、サンダーバードで開いて閲覧しようと思います。
が、スマホでメールを保存すると、vmg形式(vMsessage Format)になるので、サンダーバードで読めるようにeml形式に変換しました。
※メモ帳とかのテキストエディタにvmgファイルをぶち込んでやればヘッダ情報を見ることはできます。
vmgファイルをemlに変換するには、一番簡単なのは、拡張子を.eml に書き換えることです。
ということで、拡張子を.emlに書き換えると、無事にサンダーバードで開けました。

これはベタなフィッシングメールでしょうね。
まずは、ヘッダを見てみましょう。

送信元は、Receivedで書かれている以下のところ。
Received: form docomo.ne.jp ([10.242.32[.]69])
by mfsmax.docomo.ne.jp
10.242.32[.]69なのでプライベートアドレスですね。
携帯キャリアは、同じキャリア同士のメールの送受信の際には、そのキャリアの内部ネットワーク(今回だとドコモ内部ネットワーク)で通信するので、Received がプライベートアドレスになっているということは、ドコモユーザーの端末が送信元である可能性が考えられます。
さらにReceived には、by mfsmax.docomo.ne.jp とあることから、一番最初にドコモサーバを経由したということは、やはりドコモ端末が送信元になっている可能性がありますね。
Fromには、qs1a0p7tecwvharv88m7@docomo.ne[.]jp のように、ランダムのメアドでテキトウ感が満載ですが、~@docomo.ne.jpとなっているということは、先ほどのドコモユーザー送信元説からすると、偽装じゃなくて本物のメアドの可能性があります。たぶん。
偽装は、ReceivedとFromのドメインが一致していない。。。というような特徴がありますので。
Message-IDは、 <vms66ssj-5inxdm0xc0@docomo.ne[.]jp>となっていますね。
Message-IDは、メールサーバが発行した識別子のようなものです。これもドメインがdocomo.ne.jpになっていることから、やはり送信元はドコモ端末と考えていいですね。
というわけで、qs1a0p7tecwvharv88m7@docomo.ne[.]jpをググってみましょう。

結果は該当無しでした。。。
では気を取り直して、ソースコードを見てると、この部分はBase64 になっていますね。

CyberChefでデコードすると、以下のリンクになります。
https://autumnwind-sky[.]com/kduzyy/zxsmejh/rpvmh/ltpjflm
迷惑メールに表示されていたリンク部分ですね。
では、このリンク先を見てみましょう。
リンクを踏むと、https://thistlebreak-cove[.]com/~にリダイレクトします。

→→確認はコチラから←←← をクリックしてみます。
すると、「受信メール From:FCM資産援助 専用受付」と記載されたページが表示されます。
末尾に入力フォームが掲載されています。
が、入力欄が「件名」「本文」となっているため、引っかかった人は個人情報を入力せずにすみそうです。




ちなみに、空欄のまま送信を押すと、このページがリダイレクトされます。
ためしに、「件名」と「本文」を記入して送信確認を押してみましょう。

「送信確認」をクリックすると、確認画面に遷移します。

「送信する」を押すと、なぜか、元のメールの「受信メール」の画面に戻ります。
しかし、、、この入力フォームではフィッシングになりませんね。
それぞれのURLをaguseで調べてみましょう。


aguseの結果、
・https://autumnwind-sky[.]com のIPアドレスは、13.249.74[.]71
・https://thistlebreak-cove.com のIPアドレスは、172.67.160[.]218
と判明しました。
それぞれwhois してみましょう。
13.249.74[.]71

AMAZO-CFと表示されたことから、Amazon CloudFrontだと判明しました。
Amazon CloudFrontは、アマゾンのCDNサービスです。
172.67.160[.]218

これは、Claudflare社が管理するネットワークです。
これ以上の深堀りは無理そうですね。。。。
それぞれvirustotalでスコアを見ても、特に何もないです。。。。


というわけで、今回の迷惑メールは、フィッシングリンクからサイトに移動して「件名」と「本文」を入力させるという、個人情報窃取になっていない、よくわからん迷惑メールでした。


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